君の御影に見た滴
まわれやまわる
月明かりの下で、僕は歌を歌っていた。
学校で習ったばかりの童謡だった。
春の夜風は少し寒いくらいだったけど、僕には心地よい気温だった。
「その影、踏うんだ」
そう言って僕の前に飛び込んで来たのは異人のように背の高い、長い髪の女だった。
最初はあやかしかと思った。
その姿があまりに白く、美しかったからだ。
春の香りに誘われて人の魂を喰いにきたのかと思ったのだ。
だけど、月明かりのしたで、その女はたしかに人間だった。
とても美しく、凛とした女だった。
「影って、こんな夜に何言ってるねん」
学校で習ったばかりの童謡だった。
春の夜風は少し寒いくらいだったけど、僕には心地よい気温だった。
「その影、踏うんだ」
そう言って僕の前に飛び込んで来たのは異人のように背の高い、長い髪の女だった。
最初はあやかしかと思った。
その姿があまりに白く、美しかったからだ。
春の香りに誘われて人の魂を喰いにきたのかと思ったのだ。
だけど、月明かりのしたで、その女はたしかに人間だった。
とても美しく、凛とした女だった。
「影って、こんな夜に何言ってるねん」