君の御影に見た滴
警察が大声をあげて、通り魔を押さえ込んだものだから、近所の者たちも外に出てきて、その中に僕も麻もいた。
僕は普段は真っ白な車輪の素肌が血のように染まるのを見て、誇らしいと思ったけれど、きっとその凛とした表情が麻には屈辱だったに違いない。
「純血の私がこんなんなったのに……」
そういう声が僕の真横にいる麻の口から漏れたのを覚えている。
その時の麻の顔を僕は見ることが出来なかった。
それはバッテンがついているからではない。
きっと嫉妬と苛立ちで、寸前に捕まっていった、犯罪に身を染めた女と同じくらい、狂気めいたものが浮かんでいたに違いないからだ。
僕は普段は真っ白な車輪の素肌が血のように染まるのを見て、誇らしいと思ったけれど、きっとその凛とした表情が麻には屈辱だったに違いない。
「純血の私がこんなんなったのに……」
そういう声が僕の真横にいる麻の口から漏れたのを覚えている。
その時の麻の顔を僕は見ることが出来なかった。
それはバッテンがついているからではない。
きっと嫉妬と苛立ちで、寸前に捕まっていった、犯罪に身を染めた女と同じくらい、狂気めいたものが浮かんでいたに違いないからだ。