草食系彼氏


「あのね、来季……」
「高、今日暇!?遊ばねー」

後ろから男子の声がして、思わず肩が跳ねた。

私は来季の腕を引き、小声で中に入るように言った。


扉を閉めると、中はとても静かだった。
ときたま廊下から聞こえる声が、遠くに感じる。

そしてここに、私達は2人きり……。

湧き上がる不安に押されつつ、緊張は抑えられなかった。
手が震えて、声が震えて、うまく頭が回らない。
ええと、何を言うんだっけ?


< 141 / 159 >

この作品をシェア

pagetop