草食系彼氏
「あのね、来季……」
「高、今日暇!?遊ばねー」
後ろから男子の声がして、思わず肩が跳ねた。
私は来季の腕を引き、小声で中に入るように言った。
扉を閉めると、中はとても静かだった。
ときたま廊下から聞こえる声が、遠くに感じる。
そしてここに、私達は2人きり……。
湧き上がる不安に押されつつ、緊張は抑えられなかった。
手が震えて、声が震えて、うまく頭が回らない。
ええと、何を言うんだっけ?