草食系彼氏


いつの間にか教室にいた来季が、私を見た。
そういえば、来季と話すのは久しぶりだ。今は喜んでる場合ではなさそうだけど。

「来季……」
「ん?」

ついさっきまではいなかったのだろう。
全くそういう素振りを見せない。

周りの視線が、私達に集中する。

「ちょっと……来て」

私は来季の腕を引っ張って、逃げるように教室を後にした。


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