噛みつくようなキスをして
「これは調べてみる必要がありそうだな。」
セルスト陛下がこの屋敷にやって来るのは明後日。
ならば、それまでに原因を突き止めたほうが行動しやすい。
応接間に残した他の先見隊の人間達もなかなか選りすぐりの有望株揃いでもあるし、彼らを使えばすぐに解決するだろう、と考えて青年は込み上がる笑いを抑える。
最近はこのような原因不明な出来事に遭遇しなかったため、久しぶりのことに血が騒ぐ。
無理矢理自分が先見隊に名乗り出て良かったと思いながら、彼はベンチから腰を上げて屋敷を出た。
それが、彼の人生を狂わす運命的な出会いの始まりになるとも知らず。