秘密な彼氏
朝の日差しがまぶしく、空は、スッキリくもひとつない!

「門出にふさわしい!」

千夏はにっこり笑った。

千夏はいつも明るく前向きだ…
年頃なのに恋とかにも全く興味もない!目力ばっちりの美人顔なのになぜ…?

いわゆる鈍感、天然…
たくさんチャンスもあったのにきずいていないのだ。
感じてることは、女手いとつで育ててくれた母に精一杯恩返しして、仕送りすることだった。

「お母さんに写メ撮って見せなきゃね」

千夏はそう考えながらスキップみたく、小走りみたいに歩いて行った。

まわりから見ても、やっぱり初デートみたいだ…

電話に乗り15分ほど揺られ、この景色がこれから毎日見る光景なんだと思った。
意外にも電車はラッシュにも関わらず、車内は余裕があった。

ラッキーかも。またニンヤリした。

電車を降り、改札を出て…
もう会社には何回も通勤の予行練習しているから、道はばっちりだった。

「よし!次はこの路地抜けて大通りに出て…信号渡ればOK!いよいよシャネルの制服が待ってる!!」

呪文のように呟いた。

さあ、大通りだ…信号は青だ…そろそろ点滅しそう。
この信号長いだよね!待ってるとドキドキするから今なら間に合う!渡っちゃえ!

千夏はあわてて走った!

信号が赤に変わったこと気付かない。

遠くから猛スピードで、左折してくる車にも気付かない。

まっすぐ目の前の会社を見て信号を渡った。
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