秘密な彼氏
キキキィーン!!!!
ドスン!!

鈍く、とても大きな音が耳をよぎり、その瞬間千夏は倒れた。

ザワザワと人の声が遠くで聞こえる。

「君、大丈夫?!しっかりして!い、今、救急車呼ぶから!」
サングラスをかけた男の人だったような…

不思議と冷静に色々頭をよぎった。
私死ぬの!!まだ結婚もしてない…それより、彼氏さえいない…

私は目が回っていた。さっきみた澄んだ空がぼんやり全体に見えた。

車にぶつかった?!

事故!?さっきの車だ…青い…車だったような…

私は目を閉じ、開けることができなかった…

すでに救急車の中に運ばれて、ピーポーピーポーのサイレンの音が響く…

人間死ぬときは心臓が止まっても、耳だけは何分か聞こえるって聞いた事がある。

まさにその状況かも…

「お母さん、今までありがとう。ウェディングドレス姿見せれなくてごめんなさい。」

ポロポロ涙がでた……

しかも、なんだよ!!あの占い!!〈ゆっくり歩きましょう〉って…

他に注意することあっただろ!!

〈信号は特に気を付けてね!〉とか〈青い車には気を付けてね!〉とか……

あーっ、もう、だめだ…………………………………………

自分の意識が全くなくなってしまった。




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