秘密な彼氏
チュンチュン、チュンチュン、遠くから小鳥のさえずりが聞こえる……

眩しい日差しが差し込んでいるのが目を閉じていてもわかる。

うっすらうっすら、白いものが見えた…

天井かな?どこの天井だろ?

見覚えない…それより…ここはどこ?私は何してるんだろ?

またかすかに声が聞こえる……

「福山さん、大丈夫ですか?声聞こえますか?!」

男の人の声だ…

千夏は少しずつ目を開いた……

目の前に白衣の天使ならぬ、白衣の王子様?

ここは、病院か……

この白衣の王子様は先生はにっこり笑ってくれた。

「福山さん、大丈夫?ここは病院だよ。解りますか?」

「…はい、…わかり…ます」

「福山さん、事故にあって、救急車で運ばれたんですよ。意識かなくて心配しましたよ」

この王子様の笑顔が日差しより眩しい!!

これがよくテレビドラマで見る展開!!

病人と若きイケメンドクターとの恋…みたいな…
ありえる。千夏はそう思った。下着も新しいもので良かった。と、胸を撫で下ろした。

っていうか私は事故で頭がイカレちゃったの?

そんなこと考えることなかったのに……

「福山さん、一応脳の検査や、色々やりました。今のところ大丈夫ですが、1週間は入院していただきます。全身打撲なのでしばらく安静にしてくださいね。あっ、遅れまして、私は福山さんの担当になりました、小野田 芳樹と申します。よろしくね!」

「あっ…はいっ。よろしくお願いします。」

千夏は起き上がろうとしたが体があちこち痛い。

全身打撲ってこんなに痛いんだ……

「起き上がろうとしなくていいよ。安静にして!何か不便なことあればナースコール押してね!決して無理してはいけないよ。それではまた来ますね。」

白衣の王子様は軽く一礼して看護師と病室を出て行った。







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