いばら姫と王子様 ~AfterDays~
「手厳しいですね、お姉さんなのに」
「ふふふ。妹だから言えるのだ。
あいつは弱い。護るべき者がいなければ、崩れ落ちる程に」
何かを意図的に含ませているように。
「だからこそ、あいつを護る者は強くなくてはいけないのだ」
そう言い切った緋狭さんの目に、何とも切なそうな光が走った。
「生半可な強さでは駄目だ。
どんな時も、誰よりも近くで誰よりも強く、しっかり芹霞を護りきれる強き者でなければ」
「それは、紫堂くんのことを言っているんですか?」
「坊は……まだ弱い。そして……煌も玲も桜もまだまだ弱すぎる。
あいつらに芹霞は、まだ早すぎるのかも知れぬ」
弱いって……紫堂くんが?
如月くんだって玲様だって、強いじゃない。
弱いって何?
緋狭さんが求める強さって何?