いばら姫と王子様 ~AfterDays~
そう、さっき決まったんだ。
長年慣れ親しんだ場所に――。
それは俺のペンダントと繋がる双子石となり、更なる深い繋がりをもたらすように。
「ネックレス…か。何だか格好いいな。俺もなんかつけようかな……」
煌が腕を組んで考え込んだ。
なあ芹霞。
お前は女々しいって笑うか?
それでも俺は、お前の痕跡を少しでも感じていたいんだ。
俺だけが触れ、俺だけが感じえるお前の感触を、
お前だけが触れ、お前だけが俺の感触を感じてくれ。
いつまでも俺達は永遠…以上なんだろ?
俺を求めろよ。
いつでも俺を感じていろよ。
俺の鼓動を、お前を求める衝動を、身体全体で感じていろよ。
俺は繋がりを断ち切らせない。
お前が拒もうとも、俺はお前を離さない。
それだけの長く濃い時を、俺達は共有してきたのだから。
それだけは誰にも手出しできない領域。
俺だけにしか持ち得ない、唯一の強み。
ただそれだけの――
儚くとも強い俺の強み――。
8年前の面影を消したい俺が、唯一縋れる8年前の強み。
今はそれに縋りつく。
たとえそれが不本意なことでも――。
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「なあ、全て失ったその先に……お前だけが残るのなら、俺はそれでも構わない。お前さえ俺の傍にいてくれるのなら……」