いばら姫と王子様 ~AfterDays~
§呼ぶモノ
└玲Side*****
玲Side
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最近、芹霞の元気がない。
それは目に見える確かなものではないけれど、毎日一緒に居れば些細な変化でもよく判る。
毎日――。
職権を乱用した…多少強引で、自己満足的に作り出した毎日だけど、僕にしてみれば本当に嬉しい夢のような毎日。
櫂のような立ち位置になったみたいで。
いつも櫂と住む家で、訪れてくれることだけを楽しみにしていた日々が嘘のよう。
外出もしないから、ただ受身で芹霞を密かに待つだけだった、引き篭もり状態の僕。
それが自らの意思でずっと芹霞の傍にいることが出来る、何て幸せな毎日。
だけど同時に、切なくて…辛い毎日。
傍にいるのに、"男"として求められない苦痛の毎日。
"男"の僕が、無理やり押さえつけられる拷問のような毎日。
理性と欲望の狭間で、僕はそれをひたすら隠して、何もないように優しく笑い続ける。
「どうしたの、芹霞。元気ないみたいだけど」
「ん…。大したことないんだけれどね、またさっき声が聞こえてね」
「……声?」
「う…ん。やっぱりその……出るのかな?」
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最近、芹霞の元気がない。
それは目に見える確かなものではないけれど、毎日一緒に居れば些細な変化でもよく判る。
毎日――。
職権を乱用した…多少強引で、自己満足的に作り出した毎日だけど、僕にしてみれば本当に嬉しい夢のような毎日。
櫂のような立ち位置になったみたいで。
いつも櫂と住む家で、訪れてくれることだけを楽しみにしていた日々が嘘のよう。
外出もしないから、ただ受身で芹霞を密かに待つだけだった、引き篭もり状態の僕。
それが自らの意思でずっと芹霞の傍にいることが出来る、何て幸せな毎日。
だけど同時に、切なくて…辛い毎日。
傍にいるのに、"男"として求められない苦痛の毎日。
"男"の僕が、無理やり押さえつけられる拷問のような毎日。
理性と欲望の狭間で、僕はそれをひたすら隠して、何もないように優しく笑い続ける。
「どうしたの、芹霞。元気ないみたいだけど」
「ん…。大したことないんだけれどね、またさっき声が聞こえてね」
「……声?」
「う…ん。やっぱりその……出るのかな?」