いばら姫と王子様 ~AfterDays~
ああ…――。
少しでも多く、君を理解したい。
君が今何を考え、何を求めているのか。
頭で考えるより、心で感じたい。
その為なら、僕は何でもするから。
僕を、諸々と同じように考えないで。
どうかどうか、僕との時間を大切に思って。
そして僕は、芹霞の待つ病室に帰る。
たとえこの時間が、限られた――刹那のことであっても。
僕が帰るのは芹霞の場所。
そして芹霞は笑顔で僕を受け入れる。
それが公然とまかり通る、この時間こそが僕の現実。
それが少しでも長く続くように――。
芹霞の笑顔が少しでも僕に向くように――。
「ねえ、芹霞?」
僕は君の名を呼ぶ。
君が他の声など気にならなくなるくらいに。
僕はずっと君の名前を呼び続けるんだ。
君の名前だけを――。
―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―
「僕は…例え声が枯れ果てても、君の名を呼び続けるから。だから君も…僕の名前だけを呼び、僕を一心不乱に求めて?」