いばら姫と王子様 ~AfterDays~
今でも――。
胸が痛い。
――ぎゃははははは。
笑い声が脳裏に拡がり、胸の中心が呼応するように疼いてくる。
いるのに――。
こんなに近くに陽斗はいるのに――。
その姿をもう見ることは出来ない。
金色の髪、金色の瞳。
今改めて思う――。
特異な身体を持ち、月の危うげな妖しさを併せ持っていた陽斗。
もし彼の生まれた場所があの施設ではなく、そしてこの時代でなければ。
例え彼が唯1人…孤独の中を生き抜こうとも、"普通"でありさえすれば。
彼の人生はまるで変わっていただろう。
そして闇属性のあたしと出会ったばかりに、彼は――。
彼を巻き込むつもりは全くなかったのだ。
今更何を言っても、ただの言い訳にしか過ぎないけれど。
彼の全てを奪ったのはあたしだ。
奪っておきながら、あたしは。
あたしだけが、のうのうと生きている――。
あたしは――落ち込んで荒れた。