いばら姫と王子様 ~AfterDays~
悪い、煌、玲。
毎日、夜と朝、携帯で芹霞の声聞くのは赦してくれ。
それとメール――。
俺は書き方がよく判らない。
メールなんてものは連絡事項でしか使ったことがない。
文字よりも、声で繋がりたいから。
だけど、俺のメールはあまりに素っ気ないことに気づいた。
メールは恋愛の手段だと言うことに、気づかされた。
芹霞が真っ赤になるようなメールを書いてみようか。
少しでも俺を意識するように。
だけどやはりどうしても素っ気なくなってしまって。
それに対して芹霞は文句を言うけれど。
お前は、一体俺に何を求めているんだ?
行間から、何か芹霞の心が読み取れないか何度も読み返してしまう。
『櫂、明日も待ってるね(はあと)』
ああ、絵文字っていいな。
声では判らない感情が目で見えるから。
ハートマークには、どんな感情が隠されているんだろう。
俺がお前に感じるような感情だといいな。
俺が使ったら、軽い男だと軽蔑されないだろうか。
だからやはり、
『ああ、待ってろ』
素っ気なくなってしまうけれど。
少しでもお前を振り向かせるために、また俺は変わっていくから。
お前にとって、居なくては生きていられない程、必要不可欠な存在になって、必ずお前を振り向かせてみせるから。
男として意識させてやる。
俺の全てをさらけ出してやる。
だから芹霞。
退院、愉しみにしてろよ?
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「どんなに俺が変わろうとも、
お前を想う気持ちだけは変えるつもりはない」