いばら姫と王子様 ~AfterDays~
「芹霞、僕って大概心が狭い人間だと思わない?」
味気ない病人食を芹霞と共に食べながら聞くと、
「そう? 玲くんは我慢強い男だと思うけど?」」
「……」
「……玲くん?」
ありがとう芹霞。
僕を男と呼んでくれたね。
無意識かも知れないけれど、君は僕のことを"人"としか表現してくれてなかったんだよ。
僕は、君の中で変わっているのかな。
少しでも、特別な位置に上っているのかな。
「芹霞」
「ん?」
「退院が楽しみだね」
「そうだね」
退院したら。
僕は君を手に入れるからね。
もう遠慮はしない。
相手が誰でも、僕は君が欲しい。
「……玲くん、また診察?」
ごめん、芹霞。
やましい心は極力抑えるから。
なるべく、他の場所は見ないようにするから。
だから、僕だけに特別な傷痕に触るのだけは赦して。
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「ねえ、本当に触れたいのは君の心なんだよ?」