桜色の糸*完結


「ちょっと、来てくんない?」


給食を食べ終わり、残りの昼休みを未来の席で一緒に話をしていると、教室のドアを勢いよく開き女の先輩が入って来た。
教室に入って来た先輩の数は3人。
明らかに校則違反をしている先輩達の頭の色は茶髪で、顔は幼い顔に似合わない濃い化粧。

机の横に立った先輩達から臭う香水の臭いが強烈で顔をしかめた。


そんな私に気付かずに教室から出ていく先輩に


「分かりました。」


席を立ち、後をついていく。


---またか…


逃げられないように、リーダーの先輩を先頭に私、二人の先輩と続く。
間に挟まれながら気付かれないように溜め息を吐く。


入学してから一ヶ月。

心と付き合ってるのを知られてから25日。

呼出しの回数16回でほぼ毎日。


キリキリ痛みだす胃に精神的にきているのが分かる。


先輩に呼び出される場所は決まって屋上。


ポカポカと温かい春の陽射しを浴びる屋上に、一箇所だけ冷たい空気が流れている。



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