桜色の糸*完結
「いい加減別れな。」
三対一で対面し、リーダー格の先輩が呼び出しの本題に入った。
「別れません。」
毎日毎日飽きずに言う先輩に、毎日毎日同じ返答をする私。
「あんたに藤森君は釣り合わない。」
「先輩こそ釣り合いません。」
「はぁ~?」
「マジうぜぇし。」
取り巻きの二人が横から口を出す。
「意気がってんな。」
「意気がっていません。」
「その金髪染めてこい、生意気なんだよ。」
「これは地毛です。」
「その瞳キモイ。」
「コンタクトは痛いので付けたくないです。」
お互い睨みながら言い合う。
平行線の言い合いだが、気にしてないわけがない。
"その金髪染めてこい、生意気なんだよ
"
"その瞳キモイ"
---分かってる…
この容姿をよく思われていないってことは理解してる。
ものごころ付いた頃から言われ続けている言葉。
"ガイジンだガイジン!"
"きもちるーい"
"へんないろのかみのけとひとみ!"
ただ色が違うだけで言われ続けた言葉。
傷つかないわけがない。