桜色の糸*完結
「今日中に藤森君と別れて、明日までにその髪と瞳直してきな。
明日、その髪のままだったら切るかんね。」
リーダー格の先輩は言いたいことだけ言って取り巻き二人を連れ、屋上のドアへと歩いて行った。
私は屋上を出て行く三人の後ろ姿をただジッと眺めていた…
三人が出て行くと同時にバタンッとドアの音が屋上に響いた。
その音が虚しくて、気持ちが沈んでいく。
"いい加減別れな。"
"あんたに藤森君は釣り合わない。"
--わかってるよ…
彼に私が釣り合わないってことぐらい。
「----っ…」
キリキリ痛む胃がズキズキと痛みを増し、思わず胃を抱えしゃがみ込んだ。
痛くて痛くて胃が…
痛くて痛くて胸が…
目頭に溜まる涙を堪え、地面に仰向けで大の字になって寝転んだ。
空は雲一つ無く青空が広がっている。
あの日と同じ、快晴。
桜の花は舞い散り、私のココロも…
「はぁ…」
--皆に好かれる青い空。
なのに、私の青い瞳は…
目に溜まった涙が結晶となり一粒ひんやりとしたコンクリートへ落ち染みを作った。