桜色の糸*完結


----キーンコーンカーコーン…


昼休み終了のチャイムが鳴り、胃痛が治まった体を起こしドアに向かう。


階段を下り、自分のクラスへ向かう。


「あお!」


ドアを開け入ると、心が駆け寄ってきた。


「今日はどこ行ってたんだよ?」


毎日昼休みにいなくなる私を疑いの目で見る心。


「先生に雑用頼まれちゃって…」


嘘をつくことに罪悪感が生まれる。


「雑用って--」

---キーンコーンカーコーン…


私の嘘に顔を歪め、問い詰めようと詰め寄る心を遮ったのは始業のチャイム。


心にはバレないように「ホッ」と溜め息をはいた。


「じゃぁまた後で。」


心は私の頬を撫で、席に向かい歩きだした。
さっきまで感じていた彼の温もりがあった場所に手を添え、彼の背中をジッと見つめた。


--別れない…


彼は私にとって大切な人だから。


(あおの髪の毛は綺麗だな。)


(あおの青い瞳好きだよ。)


唯一、褒めてくれた人だから。




呼び出された回数16回のち、暴力0回。


呼び出された回数16回のち、言葉の暴力…



----16回…




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