桜色の糸*完結


葵の腰まであった金髪の髪は肩より上に切り揃えられていた。
落ち着いた後、美容室で髪を切ってもらいボブカットになった葵は

「しんちゃん…
こんな髪の毛でも女は髪が命って本当なんだね…」


と引き攣った笑みを浮かべ言った。


「誰にやられた?」


葵に問いただしても首を左右に振るだけで答えない。


確か"三年"の先輩って市原が言ってたはず。


思い浮かぶのは金魚の糞まがいな小汚い三人組。


「あお、髪似合うよ。」


目の前で短くなった髪の毛を弄る葵に笑顔を浮かべ、頭を撫でそっとキスを落とす。


「ポッ」と赤くなった頬。


「--可愛い…」


ピンク色の唇に吸い寄せられるように唇を重ねた…


葵の唇は柔らかくて温かい。
チュッとリップ音をたて、唇を離した。


付き合って一ヶ月の今日、初めてのキスをした…



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