桜色の糸*完結


「青組いけぇー!!」

「あーかー!」


グラウンドに響く生徒の声援。
今日は一年に一回の体育祭の日で俺達一年には中学初めての体育祭だ。


そして今、最終種目の学年別リレーの最中。


待機場所で自分の順番を待つ。

俺の役目は


アンカー。


そして、俺の前の走者は



葵。



葵が待機している場所を見ると


「黄色ぉぉー、いけぇぇぇー!」


大声で叫び応援している彼女の姿が。


普段大人しい彼女が声を張り上げるのが珍しくて、ここぞとばかりに葵を見る。
リレーそっちのけで…


6月中旬の今日、天候に恵まれ雲一つない快晴の中体育祭が開催された。


午前、午後と外にいたため、汗で体操着が体にくっついて気持ち悪い…

それに


「いてぇ…」


強い紫外線に当たり、体中は赤くなり熱をもっていた。
それは周りも一緒だった。


「綺麗だな…」


俺の視界に入る葵の肌はいつもと変わらず白い。



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