桜色の糸*完結
「あおちゃん可哀相。」
「いーんだよ。」
既にコートへ集まっていた部員の中にいた一樹が声をかけてきた。
「心は羨ましい。」と言う部員を無視し、ボールを取りに行く。
部員達は頬を赤く染めた葵に魅入っていた。
--見んな、見るな!!
「後藤部長!!10分たったぞ!」
一樹に八つ当たりすると、嫌そうな顔をする一樹。
「はい、はい、わかりましたよ。
じゃぁ、藤森副部長の機嫌が悪いからさっさと始めようか。」
「ちっ」
「そこ舌打ちしない!
じゃぁ、俺と心のチームに分かれて試合するよ!」
一つ上の三年が引退し、部長は俺に決まりかけていたが俺は却下し一樹が部長になり俺が副部長となった。
前に俺が助言したおかげか、一樹は大人しいキャラを作り月日が経つにつれ落ち着いた雰囲気を出すようになった。
今では未来といい感じになっている。