桜色の糸*完結


「あおー!!」


ゴールを決める度に私に手を振る彼。
そんな彼が可愛くてかっこいい。


今日は男子が体育館で練習する日のため、女子バスケ部は外で走り込みや筋トレをやって解散。
部活が早く終わると必ず心がいる体育館へ来て見学し


「お待たせ。」


「うん。」


「今日はあおがチャリ漕ぐ?」


「--えっ!?できるかな?」


「うーん、絶対事故る。」


心の自転車に二人乗りをして帰るのが日課。


「今日も先生いるのかな?」


「いそう…」


『面倒だな』と呟いた心。


「じゃぁ二人乗り止める?」


「却下。」


即答する心に頬が緩む。


私がこの時間が好きなように、彼も好きでいてくれてるのかな…


「では、お嬢様どうぞこちらへ」


手を引かれ誘導された先には心愛用のシルバーのママチャリ。
荷物を前の籠に入れ、荷台に乗る。


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