桜色の糸*完結
----キキキィィィ…
死角から黒い車が走ってきて咄嗟にブレーキをかけたが…
--ドンッ!
一瞬何が起きたのかわからなかった。
吹っ飛ばされた瞬間に後ろに乗っていた葵を抱きしめた。
「----っ…」
言葉にならない痛みが体中を襲った。
「--っ…しんちゃん!?」
俺を呼ぶ声を聞きながら意識を飛ばした…
-------------------
「--ここは?」
目を開けると白い天井が視界に入った。
「いってぇ…」
体を起こそうとするが体がうまく動かない。
脇腹辺りで何かが動き、視線を向けると
「--あお…」
ベッドに顔を伏せ寝ている葵の姿。
「---っ…」
痛む体を無理矢理起こし、葵の頭を撫でると
「---し、しんちゃん!!?」
飛び起きた。