桜色の糸*完結
体中に擦り傷を作った葵の目は赤く涙が溜まっていた。
「あお、ごめんな…」
俺達に起こったことを思い出し、葵の頭を撫でながら謝る。
すると目に溜まっていた涙が一気に溢れ出した。
「---ぅ--ひっく…」
目を両手で覆い声を出し泣き出した葵をそっと抱きしめた…
「---し、しんぢゃ゙ぁぁん!」
泣き叫ぶ葵を強く抱きしめ"ごめんな"と謝り続けた。
--生きてた…
葵の温もりを感じることができてよかったとホッと胸を撫で下ろした。
葵が落ち着き、少しするとドアが開き担当医が入ってきた。
"入院"
先生から頭を10針縫ったこと、全身打撲、そして精密検査をするため一ヶ月入院だと言うことを聞かされた。
--葵と離ればなれ…
あの時に葵の言葉を聞いて素直に従っていればこんなことにはならなかったのに。
後悔と罪悪感が襲った…