桜色の糸*完結



「--痛むか?」


セミダブルのベッドに横になり、隣にいる心が心配そうに話し掛けてきた。


「う、うん…平気。」


疲れた体を襲う睡魔との戦いに負けそうな私は、重くなった瞼を上げた。
上げたつもりだったが、心の姿が半分で切れていて視界はぼやけている。


「寝ていいよ。おやすみ…」


彼の優しい声と、頭に温かい手の温もりを感じ私はそのまま眠りについた。





--------




「---あ、---ぁ…お!」


「----ん、ぅ…」


「あお!!」


「は、はい!!--い゙、っ…」


誰かに呼ばれ、勢いよく上半身を起こした私に襲う下半身の痛み。


「大丈夫か!?」


慌てた心の声が横から聞こえ視線を向けると


「--っ、きゃぁぁぁ!!」


上半身裸の心の姿が視界に入った。


慌てて顔を両手で隠した私。
心臓はバクバク音を奏で、顔に熱が集まる。
寝る前の"出来事"を思い出し、顔を隠したまま下を向くと


「---っ…!!」


声にならない悲鳴を上げ、慌てて布団で隠した


「ちっ、いい眺めだったのに…」


私の上半身を…


< 72 / 101 >

この作品をシェア

pagetop