桜色の糸*完結
布団で隠し、恥ずかしさのあまり俯いているとフワリッと体を抱きしめられた。
「はぁぁぁ~」
「しっ、しんちゃん?」
大事な所は隠してあるが、心と私の間にある布団が頼りない。
布団を握る手に力を込めた。
「俺幸せかも…」
「--えっ?」
「あおに出会えてよかった。」
「……」
「あお、生まれて来てくれてありがとな」
「……」
「大切にするから。」
「……」
「だから、俺から離れないで…」
「---っぅ…!」
「ずっと隣で笑ってて…」
「---ぅ…、ひっく…」
「俺を------て…」
「--ご、め…ひっ--グスッ…」
薄暗くなった広い部屋で心の悲痛の声が響いた。
自分のことで精一杯だった私は心のことを気にかけることをしなかった。
心は不安だったんだと気付いた私はただ、泣くことしか出来なかった。
「--しん、…ちゃん、ご、めんな--さぃ…グスッ-」
「俺こそごめん。」
泣きながら謝る私に「弱くてごめん」と言い謝る心。
---違う
私のごめんは----。