♪Kiminouta♪
「あのさ・・・あたしたち、もう別れない?」
「急に何言ってんの?」
「別れよ。」
「理由は?納得できない。」
理由なんてないよ。あたしはまだ幸汰が好き。
涙が目から溢れる。
それを悟られないように下を向く。
「別れたくないんでしょ?本当は。」
図星。思わず顔を上げてしまった。
「なんで分かるの?確かにあたしはまだ別れたくないよ。
でも、今日が幸汰と過ごせる最後だから。」
「最後ってどういうこと?」
鋭い質問。
「言えない。」
「そっか。いつか言ってくれるよな?」
「うん。ありがとう、幸汰。」
そしてあたしたちは、どちらからでもないキスを繰り返した。
「続きは落ち着いてからしような。」
「うん。絶対だからね。」
そして幸汰の部屋をあとにした。


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