僕の可愛いくない君
君の可愛い僕
「可愛い、すごい日向(ヒナタ)君可愛い。」
目の前にいる彼女、茜(アカネ)が言う。
色素の薄い、茶色の髪の毛とぱっちり二重……の俺をいつも茜は可愛いという。
好きでこんな顔に生まれてきたわけではない。
はっきりいって、かっこよく生まれたかった。
「高校二年生でこの可愛いさはないよー。」
ニコニコしながら、俺の頭をなでる。
そう、高校二年生。
高校二年生で、165センチという身長、顔。
まぁ165センチでも昔にしたらのびた方だけれど、やっぱり納得いかない。
「茜、身長何センチだっけ?」
目線が同じ彼女に言った。
「165.5だよ?」
俺の髪をくしゃくしゃしながら、俺よりも0.5センチも高い彼女は言う。