さよならさえも、下手だった
逃げる?
それとも残る?
普通に考えたら逃げるべきなんだろう。
でもどうしてか、私は逃げたいとは思っていなかった。
それはさっき言ったように逃げても行き場がないからかもしれないし、別の理由からかもしれない。
夜十の側にいたら私は変われるような気がした。
だから迷惑でもいいから、もう少しだけ。
夜十がお風呂から出てきたらそう言おう。
ちゃんと伝えよう。
そう思って目を閉じると段々眠たくなってきた。
もう寝てしまおうかな…。