君が好き☆
…やっぱり保健室なんだね…。
「…で、どしたの?」
「…」
言えないよ…。
「…翔?」
「…っ?!」
「やっぱり?…奪いに行くのがこんなに早くなるとわね…」
「違うっ!違うの匡」
「何が違うの?」
匡は優しい目で冷たい声を出す。
「…」
「…はぁ…」
「亜美?泣かないで…君は笑った方がいい」
え…あたし泣いてた…?
匡は優しくあたしの目から落ちた涙をすくう。
きゅん。
…あれ…何今の…。
「分かったよ…ちゃんと翔と話して、分かんないけど…事情を聞いてみよ?」
「…ぅん」
「笑って☆」
「…分かったニコ」
匡と話してると心が軽くなるな。
「よし!亜美が笑った♪」
ふふふ…だけどさっきからドキドキしてる…。
何でだろう…。
それからあたし達は翔の事を探し始めた。
翔は男子トイレの手洗い場にいた。
水をいっぱい出して…唇を洗ってる…?
翔は振り向きあたし達に気付いた。
翔はひどく傷ついた顔をしていた。
となりに匡が居たからか、あたしが逃げたからかは分からない…。
匡は気を使って戻って行った。
翔はまず綾と何があったかを話してくれた。
あの公園でキスされたと翔が言った時は、泣きそうになったけど。
ちゃんと最後まで聞こうと思った。
あたしは綾がそんな事をしているなんて知らなかった。