桜空

しばらく歩いた後、一件の家に着いた。



「――入れよ」



男はそう言うと家の扉を開けた



「ありがとう」



私は中に入った。



「ねぇ、1人暮らしなの?」


「あぁ。実家は結構遠くてな……16の時からここで暮らしているよ」



16から!?
どれだけ大人なの!?
この男………



「なぁ、お前名前何て言うんだ?」



「あ、えっと…桜…」



あえて名字は言わなかったバレそうだし…



「桜な。俺は空だ」



「空……か…いい名前ね…」


とても自由で…



「お前だっていい名前だろ?桜なんてすげぇ可愛い名前だよ」



可愛い…なんて……



「あ…ありがとう…」



私は照れ臭そうに言った




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