桜空
「桜ーわりぃっ!!遅くなった!!稽古長引いてさ〜」
空がそう言いながら私の元へ来た。
ここは城の裏庭。
ほとんど誰も来ないから安心して空に会える。
「いいのよっ!!お疲れさま」
私は背伸びして空にキスをした。
「ありがとな桜」
唇を離すと空がニコッと微笑んだ。
「あのね〜空。私今日、市之助に告白されたの」
私は唐突に言った。
こういうことは隠さないほうがいいから…
「え?市之助って…市之助さんのこと?」
「えぇ。」
私は下を向いて返事をした空……なんて言うかな?
「…で?桜はなんて答えたの?」
空は真剣な声で聞いてきた
「もちろん断ったわ。私には大事な人がいるって。空以上に好きになれる人はいないって……きゃっ」
空はいきなり私を抱き締めた。