桜空

「……綺麗…」



私は小さく呟いた。



「――桜のほうが綺麗だろ」


空はそう言うと私の頬にキスをした。



顔が熱くなっていくのが分かる。



空はそれを見て優しく微笑んだ。



幸せ……



――そう感じた、その時。


「――何をしている」



ドクッ………



私はおそるおそる声のする方を見た。



「お…父様………」


回りにはたくさんの使用人がいる。



嘘でしょ。



なんで…



どうして!?
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