桜空
引き裂かれた愛
――「空?入るわよ?いーい?」
ここは俺の部屋。
俺は疲れきって眠っている桜に毛布をかけた。
「あぁ、いいよ」
ガラッと音を立てて扉が開く。
「あら、桜ちゃん寝ちゃったの?」
姉ちゃんは桜の横にしゃがみこんだ。
「あぁ、加賀まで出てきて結構疲れてたみたいだから寝かせてやって」
「えぇ。あら〜可愛い寝顔♪可愛い子は寝顔も可愛いのね♪」
姉ちゃんはそう言いながら寝ている桜の頭を撫でた。
「さて、私は明日の仕事の準備でもしようかしら」
姉ちゃんはそう言いながら立ち上がると出口に向かった。
「あ、そうそう」
姉ちゃんはいきなり立ち止まった