桜空

忍はすぐに立ち上がるとそそくさとその場を去っていった。



「空っ!!大丈夫!?」



私はすぐに空に駆け寄った。



「桜……怪我してないか?大丈夫だったか?」



空は心配そうに私を見る。



「私は大丈夫よ!!それより空の怪我のほうが心配よ!!早く手当てしましょ!!」



私は負傷している空の右腕を簡単に止血すると空をお家の中まで連れていった。



「――ごめんな桜」



手当てをしているといきなり空が呟いた。



「どうしたのよ、いきなり」



「また…危ない目に合わせちまって……」



空はとても申し訳なさそうに言った。



「いいのよ!!私が勝手に戦ったんだし…空は何も悪いことしてないじゃない」



「ありがとな。」



空は優しく言った。



「―…桜。」



急に真面目な顔をした。



「な、何?」



私は聞き返した。



「江戸に戻ろう」



「え?」



「江戸に戻ってちゃんと殿様と話をして来よう」



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