桜空
「な、何言ってるの空…」
「いずれにせよ、このままじゃいつかは江戸から刺客がやって来て俺達を引き離すだろう。そうなる前に……」
「嫌よ…っ!!江戸に戻ったら…また私達、離ればなれになっちゃうのよ!?もう二度と会えなくなるかもしれないのよ!?」
「桜……」
「それに…あの人が私達の話をまともに聞いてくれるわけがない…きっとまた自分の意見を突き通して…」
「殿様だろうとどんな人だろうと桜のお父さんにはかわりないだろ?」
「えっ…」
「血の繋がった、たった1人の家族にはかわりないだろ?」
確かに…
その通りだけど…
「でも…もしまた離ればなれになったら…」
「その時は俺がお前を連れて逃げるよ」
「えっ」
「言っただろ?愛してるって。もう離さねぇよ」
空はニコッと微笑んだ。
「空……」
私と空は抱き合った。