桜空
ワイワイ、ガヤガヤと騒がしい江戸。
私達は手を繋いだまま、ただ城に向かう。
「――桜っ!!水野くん!!」
後ろから聞き慣れた声が聞こえた
「海!!」
彼女は走ってきたのか息切れをしているみたいだ。
「大変よ…殿様がかなりお怒りになってるわ…このままじゃ水野くんは死刑に…」
「死刑!?どういうこと!?」
私は思わず声をあらげた。
「桜達がいなくなった後…忍に頼んで桜達を探させにいったのよ。けど忍はガタガタ震えながら帰ってきて……殿様は“女などに剣で負けたのか!!'とかおっしゃって…今、どうしようもないのよ」
海は困ったような表情で言った。
「……そう…やっぱり父と話し合うのは難しいみたいね…」
私はボソッと呟く。
「桜、行こう。殿様の所に」
私は大きく頷いた。
「2人とも!!早く!!」
私達は海に続いて城に走った――…