桜空

「――…顔を上げなさい、2人とも」



「「……はい…」」



「…水野……お前は実に優秀だし剣術もずば抜けて優れている。しかしお前に桜の旦那が務まるのか?将軍家はお前が思っている以上に厳しい場所だぞ」



旦那……



そうよね
父にバレてしまったからには空は私の婚約者として付き合っていかなくてはいけないから…



「そのようなことは承知でございます。」



「ほう……?」



「空……」



空はいつになく真剣な表情で



いつになくかっこよかった。



「私は王子でもの者ではありませんし将軍家がどのようなものなのかも分かりません。しかし姫様の為なら私はどんな試練も受けて立ちます。愛する方の為ならどんな辛い目に会おうと構いません。」


空……



そんなに……



そんなに私を思ってくれているなんて…
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