桜空
愛しい人

――そしてついに決闘の日になってしまった。



あの日からずいぶん剣は
練習してきた。
空に会わない時間が空いたから…



それに剣の稽古をしていれば空のことを忘れていられたから…



「――姫様、そろそろお時間ですわ、稽古場へ参りましょう」



使用人が言ってきた。
私は1つ深呼吸すると立ち上がった――…



空は…もう城に来ているのかしら…



そりゃ来てるわよね。
もしこの決闘を断ったりしたらどうなるかわからないんだもの。



自分の身を守るために戦うのよね…空は。
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