桜空

「あらっ!!相手の男、来たみたいよ!!」



海の言葉にビクッと体が反応する。



そこには…案の定、空がいた。はかま姿で。



「あんらまぁ〜♪♪かなりのいい男じゃなぁ〜い!!♪姫様!!ラッキーね♪♪」



春さんがはしゃぎながら言ってきた。



「……そうかな…」



私はフイッと外を見た。



空……今日戦ったら…もう空との繋がりはなくなる…もう…会うことも…?



「姫様、そろそろ始めましょう。前へどうぞ」



市之助が言ってきた。



私は「わかった」とだけ返事すると、剣を準備し位置に着いた。



「水野、姫様の前へ」



「――はい」



空はハッキリそう返事をすると私の前に立った。
空の顔は凛とした剣士の顔になっている。今まで見たことがないような……
そんな表情だった。



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