桜空
私は目の前に立っている空に声をかけた。
「――今は私を姫だなんて思わなくていいわ。遠慮なんかいらないから手加減なしでかかってきなさい!!」
私はキッパリと言った。
剣術に関しては真剣に向き合いたいから。
半端な覚悟でここに立ちたくないから…
「――分かりました。姫」
空は一瞬だけニヤッと笑みを浮かべた。
私もつられて微笑んだ。
「――それでは挨拶を」
市之助の言葉を合図に私と空は挨拶をした。
そして―――
「――はじめっ!!」