桜空
――バッ!!!!
始めの合図の後、勢いよく距離を取った私と空。
私はいつも以上に神経を集中させた。
そして――
「はぁぁぁ!!!」
カキィン!!!
いつも以上に激しく剣がぶつかり合う。
空の必死さが伝わってくる私は一回空から離れた。
「やぁーっ!!!」
空が向かってくる。
受けろ……っ!!
ガキィンッ!!!!
ヤバイッ…
何なの!?この感覚は……
今まで味わったことがない…
隙のない型、寸分たぐわない早い動き、圧倒的な力強いオーラ…
この私が……他人の剣術に惑わされてるって言うの!?
カシャァァン!!!!!
気付くと私の手から剣が抜けていた。いや、取り払われたと言った方が正しいだろうか。
強い…
めちゃめちゃ強い…!!!
「……くっ…!!」
私は急いで剣を拾った。
そして一か八か――