桜空

――ザアッ……



その日の夜。
私は城の近くの河原に1人でいた。



隣に空はいない。



「……なんで私、空のことばかり考えてるんだろ…」


剣で負けたことより、もう空に会えないという方が辛かった。



なんでこんなに苦しいの…?
なんでこんなに空のことばかり頭に浮かぶの…?
もう苦しいよ…



――ポタッ



私の瞳から一粒の涙が溢れた。







やっぱり私は



空のことが好きなんだ



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