桜空
「なんで…私、姫なんかに生まれちゃったのかな…ほんと最悪よ」
「……桜、お前……」
「もういいわ。外にさえ出なければいいんでしょう?ならずっと部屋にこもってるわよ」
私は冷たくそう言い残すと父の部屋を去った。
悪党は…私をいったいどうしたいんだろうか。
私を捕まえ、殺して自らが次期将軍の座を乗っ取りたいだけ?
別に私はそれでもかまわない。
むしろそっちの方が空とずっと一緒に居られるし。
回りの声なんて気にしなくて済むから…