桜空
どうしよう、このままじゃ空が…
私がなんとかするしかないんだ!!
やるしかないんだ…!!
――意識を集中させて
殺陣をイメージして―――
「………その手を放せ」
「あ?なんか言ったか?」
―――私は今、姫じゃない
空以外の男に負けたことのない、勇敢な剣士――
「その手を放せ!!悪党共!!」
私は素早く隣にいた男の剣を奪った。
「桜…っ」
「お前っ…!!おい!!この女を取り押さえろ!!」
私に走って近づいてくる男
バッ!!!!
私は咄嗟に身を縮めた
そして―――
ガガッ!!!!
「うわぁっ!!」
私は男を寄せ付けないかのように剣を振りかざした
「なんだこの女…」
「めっちゃ強くね!?」
この動き…
久喜家に代々伝わる殺陣だ……!!
間違いない…
剣士の俺が見間違えるわけがない!!