桜空
「くっ……」
男はジリジリと引き下がる
「うっ…うわぁぁ!!!!」
いきなり後ろから罵声が聞こえた。
「桜っ!!!!」
ガッ…!!!
「そっ…空っ!!」
気づくと空は私を正面から抱き締めるようにしてかばっていた。
「……くっ…大丈夫か?桜」
空は私をかばって剣をまともに受けてしまったのだ。
「なんだぁ?大事な女なんだろぉ?我慢しろよ!!」
男がそう言って空の背中を蹴りつけた
「やめてっ!!」
「桜、何もしなくていい。俺は大丈夫だから」
「空っ…」
いいわけないよ!!
私……このままじゃいられない!!
「――あんた達、これ以上やったらどうなるか分かってんでしょうね」
私は凍てつくような冷たい声で言った
空はびっくりしている
ごめん、空
こんな私を許して――…