桜空

―――その日の夜、城。



「ん〜〜…」



わからない。
どう考えてもさっぱりわからない。



空はなんで私とキスしたりすると「我慢できない」なんて言い出すのか…



私、なんかしたのかな!?
なんか私とキスしたくない理由とかあるのかな!?



う゛〜!!!!
どう考えてもさっぱりわかんないよー!!!!



「失礼します。姫様、お夕食をお持ちしました」



戸の外から市之助の声がした。



「ありがとう、入っていいわよ」



私が言うと再び「失礼します。」と言いながら夕食を持った市之助が入ってきた


私は市之助を見てふと思い付いた。
そうだ…市之助なら空が言う、我慢できないって意味がわかるかもしれない…!!市之助と空は歳も近いし…よし!!聞いてみよう!!



「ねぇ市之助!!ちょっと聞きたいことがあるんだけど」



市之助はキョトンとした顔をした



「なんでございましょう?」


「男って…好きな子と一緒にいる時とか我慢できなくなったりするの?」



私は単刀直入に言った。
< 65 / 211 >

この作品をシェア

pagetop