桜空

「桜、蘭のご両親が亡くなったって…」



私は自分の部屋にいた。
海だ。



「えぇ…。どうやらまた悪党の仕業みたいだから……でも父は動いてくれないって…」



「えっ!?殿様、正気!?家族ぐるみでお付き合いされてた中田屋のご両親が亡くなったのよ!?どうして何も動いて下さらないのよ!!」



「分からないわよ私にも…中田屋に関わる気はないって…それの一点張りなのよ…」



どうしよう…
このままじゃ蘭は……



「――ねぇ桜!!じゃあ、あたしと桜と“城下町の剣術の達人'を連れていきましょうよ!!」



「えっ!?剣術の達人!?」



「ほら〜なんて言ったっけ…えーと…あ!!水野よ!!水野空くん!!」



空!?



「で、でもまたなんで水野を…」



「だって彼、桜にまで勝っちゃう天才じゃない!!この3人が集まれば怖いもの知らずじゃない?」



海は自信満々に言った。
確かに…そうかも…



でも……空を巻き込むことになってしまう。



それにまだ海には空と恋人同士だって言ってないし…


やっぱり言うべきよね…



それに、悪党に乗り込むにしてもどうしても男の協力が必要だし。



ごめんね、空。
また迷惑かけちゃうよ…
< 74 / 211 >

この作品をシェア

pagetop