ある昼休の会話Ⅲ
まぁ・・確かに。
小さい頃はただの悲しい物語って思っていたけれど。
今読んでみるときっと知らなかった気持ちも見えてくるのかも。
好きな人に振り向いてもらえない寂しさも。
切なさも。
自分が助けたってことを気付いてもらえない、悲しさも。
「そうだね。確かに悲恋だね」
「でしょ!?アンデルセン!超いい話書くじゃん!」
鼻をすすりながら言うマミ。
あんたは何様よ。
世界のアンデルセンさんにそんな言い方・・
謝りなさい。
「アンデルセン・・さんはどうかわからないけど。
でも確かにそうだよね。童話って今読むと恋愛小説みたいだよね」
「そうなんだよ~~。もう王子様も可哀想っていうか」
「ちょっと、待ったマミ」
「何?カナちゃん」
ここまで話しといてなんだけど。
なんだかまたよくない方向にいくんじゃないのか・・
「マミちゃん。人魚姫の王子なんて最低なのよ」
「光ちゃん~~!」